皆さんは「ラッパイチョウ」を見たことがあるだろうか。イチョウの葉はふつう扇形で、中央上部に切込みがある。しかし、ラッパイチョウは葉がクルリと巻いてくっつき、切り込みはない。まさにラッパ型である。ラッパ型の葉はふつうの葉に混じって各枝につく。このようなイチョウは全国に十数本しかないという。それが八王子市宇津貫町の熊野神社境内に1本ある。
今回の山行は、このラッパイチョウを見つけることが目的である。
といっても、熊野神社で「ラッパイチョウ、見ーっけ」だけではつまらない。
JR高尾駅南口から、御衣公園、御霊神社、椚田(くぬぎた)遺跡公園、宇津貫公園、熊野神社、片倉城址公園へと歩いたが、公園の趣がそれぞれ異なっていた。
御衣公園は初沢城址に並び、中心となるのは産業殉職者の霊を祀った「高尾みころも霊堂」である。京王線高尾山口駅のホームに立って南を望めば金ピカのお堂が見える。
椚田遺跡公園は縄文時代の集落の跡地で、公園周辺の木々は縄文時代に生えていたと思われる木が植えられている。
宇津貫公園はJR横浜線みなみの駅周辺を開発してニュータウンを作った際に設けられたもので、開放感のある草地公園である。公園内には丘陵地帯の名残か、高所がある。みろくの会員が高所を見逃すはずがない。いさんで登った。
コースで特筆すべきなのは、湯殿川水辺の道である。湯殿川は淺川の支流の一つで、八王子の南部を流れている。水辺に沿って瀟洒な遊歩道が続き、晴れた日には富士山が望める、気持ちのよいのどかな道である
八王子というと小仏、高尾、陣場などの山域を思うが、この山行を通して市域の隠れた魅力を知ることができた。
|
|